ナディーン・ステア『もしも人生をやりなおせるなら』
文:ナディーンステア 絵:こがらしパレード
訳:かみひこうき 『もしも人生をやりなおせるなら』ディスカバー・トゥエンティワン
[概要]
これは、ナディーン・ステアという85歳のおばあさんが書いた詩の絵本です。優しい挿絵とともに、短い、平凡な人生のかけがえのなさを気づかせてくれます。
「もしも人生をやりなおせるなら、こんどはもっとたくさん失敗したい。おかしなことをたくさんする。一瞬一瞬を大切に生きる......」
数十年前、アメリカの片田舎に住むごく平凡な女性が85年の生涯を振り返りながら書いた一遍の詩。時代や国をこえ、感動を呼び続ける不思議な詩の絵本(本書帯より)
[感想]
私は、落ち込んだ時本屋や図書館に行き、自分を慰める書物を探すことが多かったのですが、この絵本もその中の一冊です。
読み終えた後、なんだか暗い場所から色とりどりの明るい世界へ抜け出したような感じがしました。
シンプルだけど大切なこと。「生きる喜び」「小さな楽しみ」「目の前に広がっている可能性」等、忘れかけていたことを思い出させてくれました。
それは、人から見たらおかしなことかもしれないけれど、自分に喜びをもたらしてくれるもの。例えば、スケートをする、猫とくつろぐ、素足でかけて遊ぶ…といったことです。
ナディーンさんは、用心深く、長生きをするためにコツコツ真面目に生きて来た女性。
そのような方からの言葉は、心に沁みます。
実際、人生の時間を巻き戻すことはできません。私自身も、もし子ども時代に戻ったらと思うことはありますが、不可能です。
それでも、「今」から人生を生きることはできます。だから私は、人生をやりなおすというか、過去を後悔するのではなく、過去から学んで、「未来に繋がる今」を大切にして生きていきたいなと思います。そして、人生の限られた時間を後悔や不安でいっぱいにするのではなく、楽しみやワクワクの時間で埋めたり、読書や創作などで過去の辛さを昇華させ、前に進んでいきたいなと。