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節約生活や読書の記録を綴ります

住野よる『麦本三歩の好きなもの 第一集』 幻冬舎文庫

 

住野よる『麦本三歩の好きなもの 第一集』 幻冬舎文庫

[あらすじ]

麦本三歩ちゃんという図書館勤務の20代女性の何気ない日々を描いた短編集。三歩ちゃんの好きなものを通して、「平凡な日常」がどれだけ幸せであるのかを気づかせてくれる作品。

[感想]

前回紹介した『人生の使い方』同様、元気がないときに、気楽に読める作品です。何気ない平凡な日々の中にある幸せを拾って生きる、三歩ちゃんの日常を描いた作品。とても、優しい気持ちになれる作品です。何か特別なことが起こるわけではありません。ですが、忘れていた幸せに気づかせてくれた作品です。私は心が疲れていた時に読みました。ホッとする気持ちになれました。
 三歩ちゃんは、図書館で普段働いています。毎朝、本当はこんなに寒い中出勤したくない、寝ていたいと思っています。それをぐっとこらえて生活しています。職場では怒られることもしょっちゅう。でも、マイナスな気持ちにならないよう、日常に小さな楽しみを見つけ出しています。例えば、朝食に大好きなチーズ蒸しパンを食べる、朝一番の静かな図書館の空気を吸う、帰りにプリンを買う等。
 私も、日常の小さな楽しみを拾って、つくり出して、生きていきたいなと思いました。同時に、今、自分がすごく恵まれていたことにも気づかされました。