Sonya room

節約生活や読書の記録を綴ります

平安寿子「人生の使い方」 日本放送出版協会(NHK出版)

平安寿子著「人生の使い方」 日本放送出版協会NHK出版)

気持ちがしんどかった時に、軽い気持ちで読むことができた本を紹介します。

タイトルに惹かれ、ふと手にとった本ですが、良かったです。
人生の生きがい、ハリを求め、中年夫婦が、定年後の人生に備え、カルチャースクールでいろいろ試すことから物語は始まります。

旦那さんは明日の仕事をどうするかで胃の痛む思いをしていて、仕事で手一杯。最初は乗り気ではなかったが、次第に趣味探しをするように。

兄が脳梗塞で倒れ、一旦は呑気に趣味探しをしている場合ではないと中断するが、その兄のリハビリ生活をする中で、余暇や楽しみの必要性を再度実感します。再び、人生を楽しむこと、生き甲斐を見つけ、生きててよかったと思いたいと夫婦で趣味探しに向き合います。

奥さんは元々、パートと家事の余暇としてフラダンスをしていて、ある時、娘の学費捻出のため、フラダンスを止めるのですが、ハリ、楽しみを失い、どれだけ仲間とのフラダンスの時間に自分が支えられていたかを痛感します。

この話は淡々と進んでいきますが、生きてて良かったという楽しみ、人生のハリ、夫婦の支え合う在り方、特に、兄夫婦の脳梗塞後のリハビリ生活でのお二人の在り方は素敵だなと感じました。

私自身、まだ人生、日々の生活にビクビクしてばかりで、楽しみの境地には至っていないですが、最後の主人公の言葉を胸に頑張ろうと思います^_^

   新しいことを始めるとか、ずっと前からやりたかったけど、お金と時間の余裕がない、笑われるのが恥ずかしいなどの理由で我慢していた何かに手を伸ばすには、勢いが必要だ。
 目を閉じて、息を詰めて、「えいや!」と踏み切る。
 そして、次に目を開けた時には、、新しい世界が見えるのだ。
(P.242)

 

わたしの人生、使い手はわたしなんだから。
 頑張ろう、わたしのために。
(P.244)